Busico.会員様インタビュー第5弾は、ハピバス講師として起業されたSAY株式会社代表の藤井治子さん。Busico.シェアオフィス(梅田)をご利用いただいています。

Busico. :改めて御社名とブランド名、お名前、経歴を簡単にお願いします。
藤井治子さん:SAY株式会社の藤井治子(ふじいはるこ)と申します。ハピバス講師をしています。大学を卒業してずっと、保険会社の内勤事務職でただただOLをやっていたんですけども、30歳の時に運動不足を感じたので、たまたま出逢ったバレエで肩こりや腰痛、冷え性が治りました。それで、自分がすごく調子がよくなったので、「これはたくさんの不調を抱える女性たちを助けることができるんじゃないかな」と思いました。

藤井治子さん: ちょうどその時母親が更年期障害真っ只中ですごくしんどそうだったんです。それを見て、中高年になっていくと一層女性は不調を抱えるなと感じたので、自分が体調を改善したバレエでたくさんの方の体調を改善したいな、と思い至りました。
6年前にボランティアで中高年の女性を集めて簡単なバレエレッスンをするところからレッスンを始め、丸2年間のボランティアを経て4年前に起業をしました。
実証実験でひたすら生徒さんと向き合って、プログラムを考えました。どんな動きがいいのか、どの速さがいいのか、何回やったらいいのか、どんな注意点を伝えたらいいのかをひたすら考え抜いて、今のプログラムが完成しました。

Busico. :では2年間のボランティア活動期間は、お勤めをされていたのですか?
藤井治子さん:そうですね。OLをしながら土曜日にレッスンを、月に2回だけだったんですけど、実施するというのをやっていました。
藤井治子さん:もう、どんどん どんどん「これが面白いな」という気持ちが湧いていったんです。そして、起業したいという気持ちが途中から生まれてきました。もう全国に広めていきたいなという想いになっていったので、そうなると起業して責任を持ってやっていくしかないと決意し、2015年の7月に起業しました。

Busico. :今4年を経て、教室は何店舗になりましたか?
藤井治子さん:名古屋と岡山でも、このレッスンをしてくださる人が出てきたので、それを含めると15店舗です。
Busico. :講師を育てるのも治子さんがされているのですか?
藤井治子 さん:そうですね。私と、共同経営でスタートしているので、もう一人の田仲っていう者と、二人で全てを協力し合って、分担し合ってやっております。
Busico. :すごい……!
藤井治子 さん:いや、そんなすごくはないですけども。
Busico. :2019年 7月6日(土)に「ウラマヨ」という番組でも紹介されるということで、どんどん認知度が上がっていますね!
藤井治子さん:そうですね。有難いことです。やはり店舗をオープンすると動きが変わってくるなと思います。世の中からの見られ方っていうのも、やはり信用度・発信力が増すなとすごく感じましたね。



Busico. :特徴を教えていただけますでしょうか?バレエ教室ならではの女性限定だったりとか、最初名前で自己紹介されていたりとか、そういったところってどうしてそうなったか教えてください。
藤井治子さん:そうですね。名前で呼ぶのは、実はバレエ教室の慣習なんですよ。
Busico. :そうなんですか!?
藤井治子さん:はい。ほとんどの世の中のバレエ教室は、お互いに下の名前で呼び合います。
Busico. :へぇー。そういうバレエの文化があるのですね。
藤井治子さん:バレエ教室の慣習なんですけど、下の名前は自分だけの固有の名前なので、固有の名前でお互い呼び合うと、より親近感が沸くのと、お互いに名前を知っていることからコミュニケーションが始まるのをレッスンを通じてすごく感じたので、必ず名前はお互いに声掛けできるような状態にまでしていくことは必須で行っています。
藤井治子さん:コミュニケーションがないと、結局レッスンの楽しさが半減しちゃうんですよ。ただただ、体動かすことは家で一人でもできますけど、わざわざレッスン場に来る理由は、みんなと一緒に居られて楽しいから。そのためにはまず名前で呼び合うことからというところですね。

藤井治子さん:結局続かないと運動って意味がないので、続けるためには人と人とのつながりが原動力になるということを6年間ずっと続けてきて感じています。アナログですけど、大事にしています。
Busico. :すごく大事ですね。生徒の皆さん自然に声を掛け合いすごく楽しそうでした。
藤井治子さん:仲間がいるっていうのはやっぱり楽しいですよね。人と触れ合うことが人間同士の生きている歓びというか、醍醐味だと思います。
Busico. :私もコワーキングスペースの運営をしているので、いろんな人が「はじめまして」とお越しになります。以前からご利用いただいている人は新しい利用者の方に対して、「どんな仕事をしているんだろう」と興味はあるけれども、いきなりは話しかけづらいので、私たちスタッフがご紹介することがすごく大事だと感じています。
藤井治子さん:そうですね。

Busico. :こちらのバレエ教室、皆さんが靴を脱いで着替えたりする間も、治子先生がずっと「どうですか」って一人ずつのエピソードをしっかりと聞いたり、「新しい方こんな方ですー」と紹介を自然にされていたりで、生徒のみなさんも「ようこそー」という感じで、すごくいい空間ができていると感じました。
藤井治子さん:そうなんですよ。皆さんはなかなか、控えめな方が多かったりするので、声をかけてあげると本当はうれしいし、本当は生徒さん同士も仲良くなった方が楽しいというのはわかっているので、そういう場を作るのは講師の仕事と思います。

藤井治子さん: 「レッスンを提供するのが講師」ではなく、コミュニケーションを生んで、空間を提供するというところまでがレッスンだと考えます。そこを含め、皆さん健康になってもらえると思います。
藤井治子さん: ハピバスの講習は全員がそこを重要視してレッスンすることを受け継いでいます。講師全員がそれを言いますね、それが継続するための秘訣。楽しく練習するための秘訣だと。
Busico. :空間を丸ごと提供しているのですね。
藤井治子さん:そうですね。結局全部繋がっているんですよ。体も心も繋がっているっていう人間の中の繋がりもあるし、運動も環境もそこにいるメンバーも、全部が作用していくんですよね。
Busico. :そうですよね、人って、ピリピリしてたり、早く早くと急かされたりすると、ゆったりした空間の安心感や信頼感が崩れてしまうというか。
藤井治子さん:本当にその通りですね。だから結局サービスするのは運動だけではなく、安心と信頼の心地よい空間丸ごと全部含めて提供する。最終的にレッスンに取り組んでもらって、体の調子をよくしてもらいたいっていうところを追求すると、そこに行きついたんです。
Busico. :深いですね~
藤井治子さん:いやいや、(笑)、ありがとうございます。

Busico. :体の調子を整える最大のポイントは? 姿勢や呼吸方法などいくつかあると思います。
藤井治子さん:うちが提供できる、他と違うところは「体の力を抜く」ことです。それを身につけることによって体が動きやすくなり、ストレッチの効果が上がっていきます。
藤井治子さん: あとは疲れが取れやすくなったりとか、疲れにくくなったりとか、これは他の運動プログラムにはない特徴ですね。他にもいくつかあるんですけど、やっぱりバレエなのでクラシック音楽の中でストレッチができるというのは、バレエならではの特徴ですね。
Busico. :レッスン中に流れるクラシック音楽は、普通のバレエレッスンで使われているものより、何倍もゆっくりしてるんですよね。
藤井治子さん: 最初はずっと市販のバレエレッスンのCDを買っていて、その中でなるべくゆっくりした曲を選曲していたんですけども、それではまだまだ本当に自分達が提供したいほどのゆっくりのペースに自然になっていけるようなテンポではなかった。速かったんですね。
これはオリジナルで創らないと、と思いバレエを経験したことのあるピアニストを探しました。
Busico. :見つかったんですね!すごいです。
藤井治子さん: 「探したい」と言っていたら、たまたま生徒さんの紹介でいい人に巡り会えて、お話しもついて、2曲ほど作っていただいたんです。
Busico. :バレエを経験したことのあるピアニストに限定した理由は何ですか?
藤井治子さん: やっぱりそうじゃないと、なかなかわからないんですよね。 こういう動きをするときに使う曲を作りたい。これの動きは呼吸がとても大事だと具体的に伝えました。バレエを経験したことのある方はすぐわかるんです。なので、イメージしていたような曲を作ってもらえました。本当にそれはありがたかったですね。

Busico. :そのゆっくりした動きと呼吸を教えることは難しいですか?
藤井治子さん:なかなかバレエを経験したことのある講師でないとうまく教えることができないと思います。講師自身がわかっていないと伝えられないので、ハピバスの講師は、最低でも講師歴5年以上ある方という形でやっています。
Busico. :ブランドというかブランディングとして尖っていますね。
藤井治子 さん:ありがとうございます。尖ってるかな!?まぁ尖っていかないといけないですけどね。ハピバスの講師になる方は、ただ自分が好きで踊るのではなく、誰かを笑顔にしてあげたいとか、自分がすごくいいと思うものを届けてあげたいという気持ちの人たちが集まってくるんです。
藤井治子 さん: だから、ありがたいことに、すごく人として優しくて、尊敬できる女性たちがどんどん集まってきています。お金うんぬんではなく、これを届けること、誰かに届けてその方が元気になってもらう。喜んでもらって「ありがとう」と言われることが一番の喜びだっていう人が講師をしています。
Busico. :なんて素敵な先生たち・・・!
藤井治子 さん: 本当にね、素敵な女性たちです。個々に散らばっていても大きな力にならないけれど、そういう人たちが、こういうことをやることによって集まってくるとすごくパワーというか発信力が強まってきます。
藤井治子 さん: 私と田仲二人で始めた取り組みではあるんですけども、本当に講師陣たちの想いにすごく支えられてるところが、このレッスンの良さだと思いますね。それが多分生徒の皆に伝わっていくんです。講師陣がそれぞれの生徒さんと直に向き合って、「届けよう」という想いがあって成り立っています。

Busico. :改めてハピバスの核になる部分を教えてください。
藤井治子さん:「人生の最後の日まで自分の足で歩く」です。なんでそうしたいかというと、やっぱり歩けなくなってしまうと、人生の楽しさって、ものすごく半減してしまうと思うんです。楽しさが半減するということは、幸せ感も減ってしまう。最後の日まで自分の足で歩くのを叶え……その方に幸せになってほしいんです。
長い人生歩んできて、最後の最後に悲しい思いではなくて、なるべく1分1秒でも自分の思い通りに人生生きる方が楽しいし、幸せなんじゃないかなと思うので。
Busico. :その想いを伺って胸の奥が熱くなります。
藤井治子 さん:そのためにはどうしたらいいかということを考えて、一つの切り口としてね、絶対にこれがいいとは言わないですけども、これまでになかったバレエとストレッチを組み合わせることによってこの形ができ、達成できる可能性があるということは伝えていきたいです。
Busico. :まさに核になる部分ですね。
藤井治子 さん:そうですね。

Busico. :では最後の質問です。治子さんにとってのBusico.はどんな存在ですか?
藤井治子さん:まずは、梅田という立地にあってアクセスがいいことですね。駅からもすごく近いし。あと環境が整ってますよね。具体的には、部屋の机といすの使い勝手もいいですし、利用する方々のマナーもいいです。それこそスタッフさんの愛想もよくてありがたいですし、飲み物も飲ませてもらえるのがありがたいです。私はコワーキングスペースのサイズ感も気に入っています。大きすぎず小さすぎず。
藤井治子さん: 少しずつ顔見知りができて、「あの方今日も来てるなー」とか。あとは、Busico.さんがLED関西の方ファイナリストにBusico.賞を授与してくださって、頑張っている女性たちを応援するっていうことで1年間無償で提供していただいてることです。とても助かっています!
Busico. :いえいえ、たった1年だけなんですけども・・・
藤井治子さん: スタートのときってお金ももちろんないですし、先行投資できるものも限られてきます。かつ、「応援しますよ」とお声をかけてくださる方の存在が精神的にもすごくありがたいんです。LED関西を経験して、Busico.賞を頂いた人はきっとみんな喜んでると思います。
Busico. :LED関西ファイナリストの女性起業家の皆様のご活躍を拝見していく中で、「海外展開が決まった!」とか「サービスリリースができた」とかですね、もちろん女性ですから「赤ちゃんができた」とかも含めて本当に嬉しいご報告をいただく度にみんなでお祝いしています。
